【男観察日記④】不動産営業マン 高橋さん(仮名・30)出会い編
【不動産営業マン 高橋さん(仮名・30)の場合】
学歴★★
年収★★★
容姿★★★
優しさ★★
【高橋さんとの出会い】
高橋さんとは共通の友人を通して知り合った。
佐藤さんとのお別れ(過去ブログ参照)の直後、友人に「誰かいい人いないか」と涙ながらに頼んだところ合コンを組もうとなり、その友人が男性陣集めをお願いしたのが高橋さんであった。
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高橋さんは高校サッカー出場経験もあるスポーツマンで、身長183㎝、顔はイケメンとまではいかないものの優しい笑顔が素敵であった。
当時密かに憧れていた仕事のできる先輩に少し似ていたこともあり、またもやすぐに惹かれてしまった。
合コンのあとのカラオケでは隣の席を死守、そのとき歌ったいきものががりの「気まぐれロマンティック」の「あなたとならば この街を抜け出せる」にぴったりの気分になってしまった(未だにこの曲を聴くと高橋さんのことを思い出す)。
帰りのタクシーは高橋さんが拾ってくれ、私にだけ小さく「またね」と言った。
その夜は脳内で気まぐれロマンティックがもうエンドレスリピート、今すぐ連れ出してMy sweet sweet darling状態だったのである。
【男観察日記③】メガ損保マン 佐藤さん(仮名・27)現在編
【佐藤さんとの現在】
佐藤さんは今も定期的に「俺通信」を送ってくる。
今どんな仕事をしていて、なにを考えていて、将来はこうなりたい。
誕生日、クリスマス、年末年始と、つくづくまめな人だなと思う。
私は別れ際の態度や言葉に傷つき、しばらくはとても彼と友達になれるとは思えなかった。
しかし時が傷を癒してくれるというのは本当で、今では彼の「俺通信」がちょっとした楽しみだったりしてしまうから恐ろしい。
彼の厚い胸板の感触ももう思い出せなくなってしまったが、彼のSNSに、おそらく消し忘れて残ってしまっているふたりが寄り添った後ろ姿を、懐かしく、ちょっと切なく、でもたしかにそこにあった事実なんだな…思いながら見るのである。
【男観察日記③】メガ損保マン 佐藤さん(仮名・27)お別れ編
【佐藤さんとのお別れ】
佐藤さんは結婚して、2人の子どもと犬に囲まれて暮らしたいと言っていた。
社会人1年目、自作の動画と、当時はまだまとまったお金もなくローンで買った指輪でプロポーズをしてくれた。
とても嬉しかった。
嬉しかったが、怖かった。
彼の思い描くような家庭を築いていけるのか、不安になってしまったのだ。
子どもは産めるかわからないよと言うと、彼は悲しそうな顔をして産めるように頑張ろうよと言った。
私は数日考えたあと、プロポーズの返事を待ってほしいと伝えた。
すると彼は、なにかの糸が切れたかのようにすっかり変わってしまった。
友人との集まりに私を呼ぶことはなくなった。
家にも来なくなり、代わりに深夜まで飲み歩き、街で女性をナンパ…そこから先なにをしていたかはもう想像に難くない。
耐えかねて別れたい、と伝えるとそれまで彼が私に対して抱えてきた不満をここぞとばかりに言われた。
そして最後にぽつりと、一生に一度と思ったプロポーズを断られて気持ちが切れたよ、と言われた。
【男観察日記③】メガ損保マン 佐藤さん(仮名・27)お付き合い編
【佐藤さんとのお付き合い】
佐藤さんとのお付き合いは、それはそれは幸せなものだった。
今でもあの頃が人生のピークだったのではないかと思う(違うと信じたい)。
お互い就活が終わったタイミングであったこともあり、毎日いろいろなところへ出かけた。
彼の試合は毎回特等席で見たし、部活仲間、友人、家族、親戚にまで紹介しては「結婚するつもりだ」と宣言して周囲までも赤面させていた。
熱を出せば実家まで看病に来て、社会人になり出張に行けば何時間もかけて出張先まで来て。ひとときも離れられない。離れたくない。
彼の膝はいつも手の届くところにあって、触れていれば落ち着き、触れられればときめき(ちなみに体はお初に目にしたときは暗がりながらもダビデ像か!?と思ったため今回特別にひとつ前の日記に「筋肉」という評価項目を足させてもらった)、この人こそ生涯を共にする人なのだと心から信じた。
そんなお付き合いだった。
しかしふたりの関係はこの後の出来事を期に大きく変わることとなった。
【男観察日記③】メガ損保マン 佐藤さん(仮名・27)出会い編
【損保マン 佐藤さん(仮名・27)の場合】
学歴★★★★
年収★★★
容姿★★★
優しさ★★★
筋肉★★★★★
【佐藤さんとの出会い】
佐藤さんとは就職活動で出会った。
ある就活イベントで話しかけられ、その場で彼が所属する部活の試合を見に来ないかと誘われた。
いわゆる大学スポーツの一部リーグで、キャプテン。
大きな会場で女の子たちの黄色い声援の中大活躍する彼に、一瞬で心を奪われてしまった。
スポーツマンの彼を陰ながら支える彼女…未だに少女漫画を引きずっていたのである。いろいろあって就活生とはいえ20代中盤に差し掛かろうとしていたのだから(過去記事参照)、そろそろいい加減にしてほしい。これだから女子校育ちは困る。
妻夫木聡似で年下、甘え上手な彼だったが、告白は非常に男らしく「結婚してほしいと思っているので付き合ってほしい」とのことだった。
前の彼とのこともあり(過去記事参照)、その誠実さにさらに心惹かれ、もういわゆるぞっこん状態だった。ここぞとばかりに脳内にはお花というお花が咲き乱れた。
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今度こそは幸せになる!と信じて疑わなかった。
しかし結婚の神(?)はやはりまだまだ私に微笑んではくれなかったのである。
【男観察日記②】商社マン 山田さん(仮名・30)現在編
【山田さんとの現在】
山田さんは立派な商社マンになり、海外駐在も経験して輝かしいキャリアも積んでいるようだった。
そして山田さんは彼女を作っては別れを繰り返しながら、幾度となく「やり直したい」と連絡をしてきた。
そして昨年、これで最後にする、と、もう一度だけやり直せないかと言い、断ると半年後に「結婚することにした」との連絡があった。
結婚しても連絡は取りたいと言う。
電車運転士 田中さん(仮名・31)とは大違いである(過去記事参照)。
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もちろん断り、今は連絡は取れない状態である。
私は長らく山田さんを恨んできた。
あんな男と出会わなければ…と何度思っただろう。
しかし、最近になって、もしかすると、彼は彼なりに本気で愛していてくれたのかもしれないと思うことがある。
表情がわかりづらい山田さんが友人に私を紹介してくれた時の少しはにかんだ笑顔も、当時は少なかったバイト代をはたいておごってくれたフレンチも、夜中のコンビニも、二人乗りした自転車も、大喧嘩も、もう返ってこない、ちょっとせつない思い出なのだ。
山田さんもきっと私を恨んでいるだろう。
それでもたまにあの頃を思い出して、ふっと笑ってくれていたらいいなと思う。
【男観察日記②】商社マン 山田さん(仮名・30)お別れ編
【山田さんとのお別れ】
彼はたまに嘘をつくことがあった。
例えば私のためにたばこをやめたと言いながら、鞄からは吸いかけのたばこが出てきた。
あるとき携帯の履歴に女性の名前があることに気づいた。
私の前に付き合っていた、例の元カノである。
聞けば就活の自己分析のために元カノに自分の性格について聞いたのだと言う。
我こそは就活という苦しい中、彼を支えたたった一人の女だと信じきっていた自信が音を立てて崩れた。
そこから元カノと頻繁に連絡を取り合っていたことが芋づる式に判明した。
目が覚めた瞬間だった。
そこからの身の振り方は、悩みに悩んだ。
そして彼に養ってもらおうという考えは捨て自立の道を選ぼうと、1年遅れの就活を始めた。
今の職につけたのはある意味彼のおかげかもしれない。
彼は別れるなら死ぬと言い、手首を切って写真を送ってきた。
その頃の私はもう泣かなくなっていた。それまでの私よりも少しだけ、強くなってしまったのである。