【男観察日記⑥】医師 小川さん(仮名・29)お別れ編
【小川さんとのお別れ】
小川さんとのお別れは突然にやってきた。
いつものように電話口で小川さんの愚痴を延々と聞いていた。
ほぼ保留音を聞いているのと同じ感覚になっていたが、この言葉は聞き逃さなかった、いや聞き逃せなかった。
「はなこのことタイプなんだけど、俺のためにあと3キロ増やしてくれない?」
私は痩せ型なのがコンプレックスだった。
これまで我慢してきたものが一気に込み上がってきた。
彼がイケメンなのも医師なのも親が開業医なのもどこかへ吹っ飛び、「愚痴言うだけの男かと思ってたら今度は俺のために太れだと?%#€£$!!!!!(このあたりは本ブログに少し残された気品のために伏せさせていただく)」
彼は黙ってしまった。
後日、当時は当直明けで眠くて変なことを言ってしまったという詫び(なんでも当直明けと言えば許されると思うな)がきたが後の祭りである。
私にだってプライドはあるのだ。
数日経つと「イケメン医師にあんなこと言うのではなかった」という気持ちとプライドが喧嘩しなくもなかったが、私は全痩せ型女性の名誉のため、イケメン医師だろうとなんだろうとお別れすると決めたのだ。